他人を励ますヒントがもらえる

表紙を見ると、お料理本かと思うのだが、
実は人間関係を解決するエナジードリンクの様な本だった。
今売れに売れている本の理由が判る。
表題作をはじめとして4編から成り立つのだが、
どれも窮屈な社会で生きる女性の姿をコミカルタッチで
描きつつ、一人の女性『アッコちゃん』を微妙に絡ませ
誰でも共感できるようにしている
24歳の派遣社員の三智子は彼氏にフラれるが、
45歳の黒川敦子部長こと『アッコさん』に突然一週間
ランチの交換を言い渡される。
一週間彼女の為にお弁当を作る代わりに、三智子は
アッコさんの行き着けのお店でランチをとるというものだ。
それはただ単にお昼をとるというだけのものではなかった。
部下が落ち込んでいる時に上司が気を紛らわそうとして、
お茶に誘い、自分の武勇伝を語り
『これで部下も立ち直るだろう!』と勘違いする
シチュエーションが往々にしてある。
アッコさんはその真逆を行く。
『お昼』という課題をだし、あえて自分の行き着けの店に
遠回りな課題まで付加する。
お弁当を買うのにジョギングをさせる、カレーを食べるまでに
店を手伝う。
失恋のもやもやで自分を見失いがちになっている彼女に
遠巻きながら立ち直る方法やエールを送るのだ。
その姿はほほえましいものだ。
そんな彼女に感謝するように続編的に
『夜食のアッコ』さんが収録されている。
二人がいた会社が倒産し、アッコさんはケータリングで
ポトフを作っている。
会社勤めをしながらアッコさんを手伝い、人生のヒントを
貰う三智子の姿もほほえましい。
当初は8編収録予定だったそうだが、4編で丁度よかったのでは
ないだろうか。
幅広い層に共感してもらい、まずは手ごたえを確かめるという
意味では成功した本ともいえる。